技能実習生(育成就労)として日本に来る外国人の日本語能力について、関心をお持ちの方も多いのではいでしょうか。とくに組合の担当からは日本後学習はしっかりさせているので大丈夫ですと言われることも多いのではないですか?
今、私は組合の代表ですが、もともと20年以上、技能実習生(育成就労)を受け入れている会社で働いており、その経験からいうと組合の人間は日本語教育のことを何も知りません。さらに彼らは外国人とのコミュニケーションになれており、日本語が拙くてもコミュニケーションが取れます。今回は日本に来る前に技能実習生(育成就労)がどういった日本語学習をするか裏の裏まで話します。
- 1. 外国人技能実習生(育成就労)の日本語学習の時間とレベル
日本語の学習には多くの時間と努力が必要です。アメリカの国務省によると、日常的や専門的なコミュニケーションに支障が出ないレベルに達するためには、約88週間(2,200時間)の学習が必要とされています。これは、毎日3時間勉強を続けても約2年かかる計算です。
- 2. 日本語能力試験(JLPT)の目安
日本語能力試験(JLPT)は、日本語の理解度を測るための標準的な試験です。N5からN1までの5つのレベルがあり、それぞれのレベルに達するための学習時間の目安は次の通りです:
レベル 漢字数 語彙数 学習時間の目安 日本語理解能力
N1 2,000 10,000 900~1200時間
幅広い場面で使用される日本語が理解できる。政治、経済、法律、国際問題など抽象度が高く複雑な文章を理解し、様々な分野のニュースや講義が理解できる。専門用語を使い発表・討議ができる。
N2 1,000 6,000 600~800時間
日常的な場面で使われる自然に近いスピードのまとまりのある会話やニュースを理解することができる。新聞、平易な評論など論理的にやや複雑な文章を理解し、一般的な事柄について意見を述べることができる。
N3 600 3,000 450~600時間
日常的な場面で使われる自然に近いスピードの会話を、ある程度理解することができる。日常的な話題について具体的に書かれた文章の読み書きができる。
N4 300 1,500 300~400時間
基本的な日本語を理解することができる。基本語彙や漢字を使った身近な話題の文章を理解し、ゆっくりと話されれば日常的な会話を理解することができる。
N5 300 1,500 300~400時間
基本的な日本語をある程度理解することができる。平仮名・カタカナ・基本的な漢字で書かれた定型文や表現を理解し、ゆっくり、はっきりと話されれば、平易な日本語を理解できる。
- 3. 技能実習生(育成就労)の日本語学習状況
技能実習生(育成就労)は、面接後に約2~3か月現地で日本語勉強を開始します。時間にして約320時間程度、大体N5レベルです。
彼らの一日のスケジュールを参考にお見せします。
6:00 起床
6:10 ~ 7:10 ラジオ体操 ジョギング
7:10 ~ 8:00 朝食、洗顔、清掃
8:00 ~ 8:15 5Sの唱和 集合、点呼
8:15 ~ 9:20 授業
9:20 ~ 9:30 休憩
9:30 ~ 10:30 授業
10:30 ~ 10:40 休憩
10:40 ~ 11:40 授業
11:40 ~ 12:50 昼食 休憩
12:50 ~ 13:00 5Sの唱和 集合、点呼
13:00 ~ 14:00 授業
14:00 ~ 14:10 休憩
14:10 ~ 15:10 授業
15:10 ~ 15:20 休憩
15:20 ~ 16:15 授業
16:15 ~ 17:15 ジョギング、バレーボール、サッカーなどスポーツ
17:15 ~ 20:00 夕食 掃除
20:00 ~ 22:00 自習(宿題、復習、リスニング)
22:00 ~ 23:00 授業の準備
23:00 消灯
こんな感じでぎっしりと詰め込んで勉強します。もちろん個人差はあってできる子もできない子も混在しますが、やる気はあります。
こんな感じで技能実習生(育成就労)は日本語の勉強を行います。その間、仕事とかはできず全くの無収入です。
日本に来てから約1か月日本語の学習をトレーニングしますが、こちらは日本で暮らすための日常生活のフォローアップがメインです。